任期終盤を振り返っての活動記録です。
「どうやったら日本への興味を深めてくれるんだろう」
「何をすれば日本語は楽しいと思ってくれるんだろう」
日系社会の日本語教師たるもの、そんなことを考えて過ごす毎日。
2年間 毎週授業をしてきて、私の中で「どうしてもやって帰りたいこと」というのがでてきました。
現状①
みんな食べ物に関する日本語は大好き!
→「日本食を作る」を体験して欲しい
現状②
1クラス2,3人で知り合いが増えない子もいる…
→友達を増やして欲しい
現状③
毎回授業では教科書を進むのに必死
→日本語で思いっきり遊んで欲しい
頼まれたことだけをやるのがボランティアではない。自分がやりたいことだけをやるのもボランティアではない。と報告会でも発言しておきながら、「頼まれてない(要請にはない)けど、最後は私が悔いのない活動をしよう!」と思い企画したイベントがこちらです。

この記事では、実際に私がどのように準備しイベントが終わっていったかをシェアします。
準備編〜あえてボランティアが全部やる意義〜

時系列で具体的な準備の手順をお伝えします。
私が活動していた協会は部活動が盛んな団体。他の部活のイベントと被らないようにするのが一番 大事でした。
【1ヶ月半前】
✔ 企画書(日葡両語)を作り、役員(校長・事務員)に提案。定期的な会議がないので現地教師経由でOKをもらって日付をおさえる。
✔ この日程で日本語学校がこの場所を使いますというのを管理人さんにも確認。
【1ヶ月前】
✔ チラシ(ポルトガル語)を作り、生徒・保護者へ告知。
大体のプログラム・人数制限・参加費・申込締め切りをを現地教師と相談&決定。
✔ 申込受付スタート(Whatsappで)
✔ プログラムの詳細、日本語ゲームの内容を考える
【2週間前】
✔ 他の先生たちと打ち合わせ。
プログラム内容、ゲームアイデアを共有して意見交換。先生の役割分担を決める。
✔ 大体の人数で調理実習の食材の量を決める。
事務の人に相談したところ、協会のほかのイベントでいろいろ余っていたので分けてもらいました。
【前日(授業のない日)】
✔ 先生が食材買い出しへ(バイクで移動できる人だったので)
✔ ゲームで使う教材作成
ここまで、買い出し以外の資料作成などはほとんどボランティアの私がやりました。
「ボランティアがいなくなっても継続してもらうために、配属先(校長や先生たち)をもっと動かすべき!」というのがボランティア活動のセオリーかもしれません。
でも私はこのイベントを通して、現地の先生たちにこうなって欲しかったのです。
👍 まずはイベントの完成形を見てもらう
→ ビジョンのイメージ付け
👍 当日だけでも自分たちだけで回してみる
→ハードルを下げる
イベント当日〜トラブル&アドリブは付き物〜

できあがったプログラムがこちらです。

みんな来てくれるだろうか?という心配をよそに、告知するとすぐに「うちの子 、行かせます!」という申込を頂きました。
・参加人数:定員の25人
・年齢:10〜26歳
・学習レベル:カタカナ終了〜にほんごドレミ終了・みんなの日本語15課まで
当日の様子は動画にしました!
全体的には上手くいきました。ブラジル的には大成功!なのですが、もちろん課題・改善点はあります。
😣クイズの数が足りなかった
→先生のアドリブでなんとかなる(想定内)
😣白米炊き始め・鉄板を温め始めるのが遅かった
→次回やるとしたら違うメニューになるのでこれは慣れ?
😣振り返り作文を書かせる時間が取れず、宿題に。
→折り紙に時間がかかってしまったのが原因。宿題にした結果、ほとんどがやってこない…
😣ゲームの教材を私1人で作成したので不備があった
→他の先生にも確認してもらうべきだった
上記の点は、反省会にて現地の先生たちも気づけていたし、まずは第一回目をやってみる、という点ではまぁOKかなと思っています。
生徒・保護者の反応は!?

終了後のアンケートではこんなコメントがありました。
☺お好み焼きもおにぎりも美味しかった!
😆日本語のゲームがおもしろかった!
😌青年会(ティーンたちのグループ)でこういうのをやりたいとずっと思っていた。
後日お会いした保護者の方からも「うちの子はとても気に入ってました。本当にありがとう」とのお言葉をいただきました。
大変だったけどやってよかった…!
最後に
気づけばこのイベントには、2年で見聞きしてきたいろんな要素がかき集められていました。
ボランティアで参加した”ふれあいセミナー”、何気なく参加した日本語学習者との交流会、同期がfacebookに載せていた活動….
そして、先生・生徒・保護者の皆さんの信頼。
今まで築いてきた関係制があったからこそ、初開催でもこれだけ集まってくれたのだと思います。1年前に同じことをしていたとしたらこんなに上手くいってなかったんじゃないかぁ。
イベントの最後の挨拶で、私はこんな質問をしました。
「今日、他のクラスの人と話した人、手あげて〜!」
全員挙手!!!
「それが、私が2年間 やりたかったことです」