着任から1年後に提出した、第3号報告書を公開します!

派遣国:ブラジル
職種:日系日本語学校教師
派遣期間:2016/6/27〜2018/6/26
提出:2017年7月

目次

  • 報告書要約
  • 活動の進捗状況
  • 着任後1年時点の活動結果と課題及び課題に対する解決策
  • 現地支援制度活用計画
  • 社会的格差に関する所見
  • その他特記事項

 

 

報告書要約

本報告書では、着任後1年間の活動の進捗とその結果、及び残り1年の課題について記述する。第2号報告書では、使用している教科書、活動の記事、配属先の学校に対するスタンスについて記した。そこから約半年間、活動計画中の中でできることから少しずつだが実行に移している。

1年間の収穫としては、大きく分けて「ボランティアの周知」と「授業の質向上」がある。新規派遣として配属先・ボランティアのどちらもお互い全く情報がないところから始まった。しかし日々の授業や毎月のイベントを一緒に取り組んでいくことで、ボランティアと配属先、現地教師、生徒や保護者のそれぞれの間に信用を作ることができたと感じている。

今季は2017年1月の聖南西地区日本語教師研修会と、5月のボリビア在外研修への参加が、活動のための大きなヒントとなった。2つの研修はそれぞれ、サンパウロ州の南西地区の日本語学校による勉強会と、南米の日系社会ボランティアの活動と事業の改善を目的とした研修である。研修では他の地域の日本語教師や他国のボランティアと情報交換をしたり、移住地の中の学校を視察した。これにより楽しく日本語に触れるための授業アイデア、教師同士のコミュニケーションの取り方、保護者へのアプローチ方法について学ぶことができた。

状況を把握するための半年間と、徐々に計画を実践していく半年間であったが、今後の1年ではさらにいろんなアイデアを試してみたいと思う。新規ボランティアが試行錯誤をすることで、今後何を続けていくべきなのか、ボランティア帰国後に何を残していくべきかを配属先と一緒に考えていきたい。

 

1. 活動の進捗状況

配属先の日系人協会にば部活動の一部という形で日本語学校があり、ボランティアは主に会話の授業を担当している。また要請にもあった通り、協会で行なわれているイベント参加も活動の一つとして取り組んでいる。

学校は2015年には一時閉校していたが、2015年の授業再開にあたり、新規派遣としてボランティアが加わった。要請には新規開講の準備も含まれていたが、ボランティアが赴任する頃には教師・生徒も集めて既に授業が行われていた。しかし開講して間も無いため、学校運営・カリキュラム作成などの基盤がまだ確立されておらず、ボランティアに実際どういったことをして欲しいかという具体案は少ない状況であった。

1年間の授業及びイベント参加を経て、学校やボランティアの存在が教会内でも徐々に認知されてきた。前期は現地教師の急な退職もあったが、その後新たに採用され、現地教師2名、ボランティア1名で約40人の生徒を教えている。生徒数も徐々に増え、日本語レベルも向上しつつはあるが、ボランティアの任期中に日本語能力試験を受けるレベルへの到達は難しいのが現状である。

 

 

2. 着任後1年時点の活動結果と課題及び課題に対する解決策

学校として、またはボランティア個人が協会内の部活動やイベントに参加することにより、日本人ボランティアの存在はこの1年でかなり認知されるようになった。

またボランティアが媒介になることで今日仕事の授業内容のムラは多少改善された。現地教師が不定に教えていた折り紙も、ボランティアを使って月に1度の「文化の授業」を全クラスで導入した。これにより工作や折り紙などの遊びの時間と勉強の時間にメリハリがつき、定期的に開催できるよになった。

しかし依然として、ボランティア以外の関係者が、何が課題であるかに気づいてないことが多い。カリキュラムや生徒名簿、教育方針なども存在せず、学校の校長や事務員もボランティアとしての役職であるため、学校関係の仕事は二の次になっていて、責任感や当事者意識は薄い。

この課題に対しては、教師館で会議や勉強会の時間を設けていきたい。定期的に授業内容や進捗を振り返ることで授業に質向上を狙う。また生徒名簿や掲示物の作成などボランティアができる業務はこなすことで、現地教師にそれらの必要性を感じてもらえるように日々の地道な活動を積み重ねていきたい。

 

 

3. 現地支援制度活用計画

現地教師にも制度の存在は伝えているが、現時点で使用予定はまだない。

 

 

4. 社会的格差に関する所見

民族間の格差について

ご年配の日系人の方々は、日系・非日系の違いにこだわりが強いように感じる。差別とまではいかないが、非日系で日本語が堪能だと驚く様子も散見され、またこの時代になっても非日系を「ガイジン」と呼んでいる人がいることには違和感があった。ボランティアとして外国人である日本人が配属先の中に所属している今、ガイジンはボランティアのことを指すはずだからである。一方で、日本人の顔をしていると中国人や韓国人かと聞かれることは多い。だがそれを掘り下げたりすることはなく、こちらの拙いポルトガル語でも嫌な顔をせず要件を聞いてくれる。本当の外国人に対して寛容な国だと思う。

ジェンダーの格差について

男女の格差というよりもLGBTを含める人種の多様性に関して、ブラジルは寛容な国であると考える。日本ではまだまだ快適ではない方の注目を浴びてしまいがちだが、ブラジルでは皆 自由に生きているように見える。外見の性、内面の性、関わらず仕事に就き、カップルも周りを気にすることなく街を歩いている。総括して、差別や偏見の有無では日本よりも外国人が住みやすい国だと思う。

 

 

5. その他特記事項

旅行

国外の研修と国内旅行を機に、他のボランティアの任地を訪問することができた。ボリビアで行われた研修では、サンフアンとオキナワ移住地の視察の中で、学校見学と現地教師の対談の時間を頂いた。ブラジルの日本語学校とは歴史・制度・規模がかなり異なるが、授業方法や保護者へのアプローチとして任地でも活かせる情報を持って帰ることができた。

また、リオデジャネイロで旅行した際に同期の授業も見学させて頂いた。リオの日系の生徒は少ないものの、生徒のモチベーションもレベルも高く、刺激になった。他の任地を見ることは自身の任地を客観的に見直すことができ、活動や授業に新しいアイデアを生むきっかけにもなる。残り1年で機会を見つけて他のボランティアを訪ねたり、また自分の任地も他のボランティアに見てもらうことで、活動のヒントを出し合っていきたいと思う。

任地での広報活動

前期に引き続き協会内のイベントには積極的に参加している。イベント内でボランティアの立場として挨拶をさせてもらえることも多く、JICAのボランティア事業や自分の活動をポルトガル語で紹介している。また、在外事務所から依頼のあった記事掲載にも協力している。

 


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